自賠責保険では、自動車事故の被害者が11日以上の治療期間が必要となるケガを負った場合、または被害者が死亡した場合について、当面必要となる診察料、手術料、入院料や葬祭費などにあてることができるようにするため、仮渡金という名目で、本来自賠責保険により補償されるはずの金額の一部を、前もって被害者や法定相続人に支払うことができる制度が設けられています。この制度によりあらかじめ支払われる金額は、死亡の場合は290万円、ケガの場合は最高で40万円の定額となっています。
死亡の場合は事故の苦痛による慰謝料や、被害者が仕事などによって将来得られるはずだった逸失利益の金額が数千万円単位の高額になることがほとんどですので問題はありませんが、ケガの場合には、実際に治療のためにかかった費用などの総額が、仮渡金の金額を下回ってしまうケースもないわけではありません。
そこで、被害者などが仮渡金を受け取った後、損害賠償額が確定して正式に保険金が支払われる際には、仮渡金の金額が控除されるとともに、なお仮渡金の金額のほうが多い場合には、その超える部分については返還しなければならないこととされています。仮渡金を受け取ったものの、実は加害者とされた側に損害賠償責任がなかったなどの場合も同様となります。

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